最高裁判所第三小法廷 昭和42(あ)1792 判決
主 文
原判決中、「当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に算入する」と
の部分を破棄する。
その余の部分に対する本件上告を棄却する。
理 由
福岡高等検察庁検事長岡原昌男の上告趣意について。
記録によれば、被告人は、本件につき、起訴前である昭和四二年二月一七日勾留
状の執行を受け、爾来第一審ならびに原審を通じて、勾留を継続されているもので
あるが、これよりさき、被告人は、昭和四〇年一〇月一四日福岡地方裁判所におい
て、詐欺、窃盗、道路交通法違反の罪により懲役一年六月(未決勾留日数中、裁定
三〇日算入、法定一五日通算)に処せられ、同判決は同月二九日確定し、即日右刑
の執行を受け、その後同四一年一二月一五日仮出獄を許されたが、右刑の刑期満了
予定日であつた同四二年四月三日までの期間中に右仮出獄を取り消されたため、さ
らに本件被告事件について勾留中の同年三月三日から右仮出獄取消による残刑の執
行を受けることとなり、その刑期は同年六月二二日満了したものであるところ、被
告人は、本件第一審の判決に対し同年四月一日控訴を申し立て、原審は、これに対
し同年七月六日控訴を棄却するとともに、原審における未決勾留日数中六〇日を第
一審判決の本件に算入したものであることが認められる。
そうすると、原審が第一審判決の本刑に算入した原審における未決勾留日数中、
前記仮出獄の取消による残刑の執行を受け終つた日の翌日から、原判決言渡の前日
までの一三日間を除くその余の期間は、前記確定刑の執行と重複することが明らか
である。従つて、原判決中原審の未決勾留日数を本刑に算入した部分は、論旨引用
の当裁判所の判例に反して刑法二一条を適用した違法があり、論旨は理由があるか
ら、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決中、「
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当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に算入する」との部分を破棄し、その未
決勾留日数を算入しないこととし、その余の部分に対する上告は、上告趣意として
何らの主張がなく、従つてその理由がないことに帰するから、同四一四条、三九六
条によりこれを棄却すべく、当審における訴訟費用は、同一八一条一項但書により
被告人に負担させないこととし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
公判出席検察官 平出禾
昭和四二年一二月二六日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 松 本 正 雄
裁判官 田 中 二 郎
裁判官 下 村 三 郎
裁判官 飯 村 義 美
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